印紙税課税物件第7号「継続的取引契約書」判定の注意点

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印紙税って、結構ややこしくて迷いますよね。
先日も継続的取引の件で話題になっていたので、調べてみました。

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第何号の課税物件に該当するのか?

印紙税は、課税物件表というものがありまして、そこで第1号文書~第20号文書まで区分されており、これらに該当すれば課税される(印紙を貼る必要がある)ことになります。

単一の事項のみが記載されている文書

単一の事項のみが記載されている場合は、その事項がどの号に該当するかの判断がし易いので、あまり悩むことはないでしょう。

例)土地の売買契約書 → 第1号の1文書
例)売上代金の受取書 → 第17号の1文書

2以上の事項が併記又は混合記載されている文書

2以上の事項が併記又は混合される場合には、非常に迷います。
この場合は、それぞれの事項についてどの号に属するかをまず判定した上で、
一定のルールに従ってどちらの号に属するかを判定します。

例えば、請負工事の内容とその代金の受領の事実を記載した契約書があった場合、

・請負工事の契約書 → 第2号文書
・代金の受領事実を記載した契約書 → 第17号の1文書

とまず判定します。

その後、定められている一定のルール

・1号又は2号 + 3号~17号 → 1号又は2号

に従って判定し、上記の契約書は第2号文書に該当することになります。

一定のルールとは、国税庁の「印紙税の手引(平成28年5月)」「文書の所属の決定」に記載されている18のルールになります。

継続的な契約の判定

よく話題になるのが、継続的な取引についてです。
第7号文書に継続的取引契約書(契約期間記載が3カ月以内で、更新の定めがないものを除きます)というものが定められています。
この第7号文書に該当すれば、1通につき4,000円の印紙を貼る必要があります。

契約事では、1年契約(その後自動更新等)など継続的な内容のものは多いかと思いますが、
その部分のみでこの4,000円の印紙を貼ってしまうと、間違えることがあります。

例えば次の契約を見てください。

・業務の請負の契約(エレベーターの保守点検)
・契約期間は1年、自動更新の契約
・一定の料金(月額3万円)

まず、どのような事項が記載されているか。

1.請負契約 → 第2号文書
2.継続的取引(契約期間3カ月超、かつ更新の定めあり) →第7号文書

次に、一定のルールを参照します。
ここに次のようなルールがあります。

・1号又は2号(契約金額の記載なし) + 7号 → 7号

このルールに従うと、今回は契約金額の記載(月額3万円×契約期間1年間=36万円)
があるため、第7号文書には該当せず第2号文書に該当することになります。

この第2号文書の場合、記載金額100万円以下までは200円の収入印紙を貼ればOKですから、無駄に4,000円を貼らないように注意してください。

仮に、今回の例で契約金額の記載がなく、一定の料金で請け負いする旨の内容だった場合、
これは上記のルールに該当し第7号文書となりますので、4,000円の印紙の貼り付けが必要になります。

一方、とりあえず4,000円を貼っておけば大丈夫と勘違いをされている場合も注意が必要です。請負契約(本則)の場合、記載金額が500万円を超えてくると、印紙は10,000円以上の貼り付けが必要になってきます。実は4,000円では不足していたなんてことにならないよう注意してくださいね。

契約書の記載内容、個別に判定が必要

上記の例を見てもわかる通り、なかなかに判定が煩雑です。
契約書の記載事項もそれぞれに異なりますし、都度々々何に該当して、
どのルールが適用されるかを判定する必要があります。
ルールなんて全部は覚えてられないですから、確認するのはめんどくさいです。

実は、印紙税は税理士の業務対象外(税理士法で業務の対象税目から除かれています)
だったりするのですが、やはり税金なのでお客様からの質問はあります。
私達もその都度調べる必要がありますし、実際の契約書を見ずにニュアンスだけで判断すると
間違って判断することもありえます。

契約書に書かれている事実をよく確認し、適正な税額の印紙を貼るよう心がけましょう。

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【編集後記】
今日でブログを始めて3カ月。
毎日更新だとそろそろ100記事到達のはずだったんですが、
平日更新なのでまだ62記事目(毎日更新だと挫折してたでしょうが・・・)。
なかなか思った通りにはいきませんが、100記事目指して頑張ります!

【昨日の一日一新】
・居酒屋こころから 鶏南蛮うどんセット(稲庭うどん)

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