リース、割賦購入、現金一括払い、結局どれが一番得をするのか?

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「リース、割賦購入、現金一括、どれが得なん?」
設備投資をするときに、よくある質問ですね。

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どの方法でも支払う金額は、最終的には経費になります。

設備投資で、複合機や車両を購入する場合、
決まって社長さんが悩むのが、リース(割賦購入)にするか、一括で支払うか。

よくリースだと「リース料」で経費になるから、
一番節税になると思ってる社長さんもいらっしゃいます。

一括購入で30万を超えるような資産だと、
「資産計上」しないといけなかったりするので、
経費にあまりならないイメージなんだと思います。

でも、答えはというとどれも大差ありません。
リース料で支払おうが、分割払いであろうが、一括で購入しようが、
支払った金額は、全て経費にはなります。
簡単にまとめてみました。

○本体価格300万円の器具備品の経費計上の流れとキャッシュアウトの流れ
(期首に取得、減価償却の耐用年数は5年(定額法0.200)、
割賦期間5年、リース期間5年と仮定)

・現金一括購入(定額法で減価償却)

毎年の減価償却費:300万円×0.200=600,000円(最終年のみ599,999円
(※)1円だけ備忘価額として残るが、処分又は売却した時に費用化される

∴最終的な経費総額…300万円(600,000円×4年+599,999円+1円)
∴購入年のキャッシュアウト…300万円

・割賦購入(割賦利息15万と仮定)

毎年の減価償却費:300万円×0.200=600,000円(最終年のみ599,999円
(※)1円だけ備忘価額として残るが、処分又は売却した時に費用化される
毎年の割賦利息:150,000×1/5年=30,000円

∴最終的な経費総額→315万円((600,000円+30,000円)×4年+599,999円+30,000円+1円)
∴購入年のキャッシュアウト…63万円(翌期以降4年間、毎年63万円のキャッシュアウト)

・リース契約(リースに係る利息15万と仮定)

毎年のリース料:52,500円×12カ月=630,000円

∴最終的な経費総額→315万円(630,000円×5年)
∴契約年のキャッシュアウト…63万円(翌期以降4年間、毎年63万円のキャッシュアウト)

(※)リース契約の場合、リース資産としての資産計上も可能です。
この場合はリース期間定額法での減価償却を行うので、経費計上額はリース料処理と同額になります。

異なる点は3点だけ。
・支払う金額
・経費になるタイミング(耐用年数とリース期間が異なる場合、定率法を選んだ場合等)
・キャッシュの出ていくタイミング

税務面でも大差なし。消費税の控除のタイミングは処理の仕方によっては影響あり。

経費的な側面では、似たり寄ったりということが分かったかと思います。
では、税務面はどうでしょう?

資産の取得による税務面で特典的なことといえば、
「中小企業者の機械等を取得した場合の特別控除」が有名です。
諸々の要件は満たしていると仮定して、比較してみます。

・一括購入…適用あります。
・割賦購入…適用あります。
・リース契約…原則として適用あります。

たいていのリース契約は「所有権移転外ファイナンスリース」と呼ばれるもので、
税務的には、これを資産の取得とみなします(オペレーティングリースなどは適用外です)。
よって、どの方法でもこの税額控除は基本的に適用可能です。

ただし、この規定のもう一つに特別償却の規定がありますが、
リース契約の場合は、この特別償却の規定はありませんので注意してください。

別の話で、消費税がいつ仕入税額控除として認識されるかが異なります。

・一括購入…購入年度に全額控除
・割賦購入…購入年度に全額控除
・リース契約…リース料の支払対応分が各年に控除
(※リース契約の場合でリース資産として計上している場合は、契約年に全額控除

リース料として経費計上する場合のみ異なりますが、
リースの場合でも初年度に全額控除する方法もあるわけです。

税務面でも大差はありません。

キャッシュの懐事情により使い分けるのが正解!

やはり一番大きくて重要なのが、キャッシュアウトのタイミングです!
現金一括購入は、まとまったお金が一気に企業から出ていくことになります。

設備投資を頑張って現金一括購入で購入した代わりに、
資金が回らなくなったのでは、何のための設備投資かわからなくなってきます。

手元に余裕資金は必ず残して経営をすべきですので、
ギリギリのキャッシュフローの状況での現金一括購入は避けるべきです。

たとえ、リース料に係る利息や、割賦利息で支払総額が多くなったとしても、
キャッシュにゆとりのない場合は、このどちらかを選択するのが賢明です。

リースか割賦購入のどちらにするかで迷った場合は、
リース料率と割賦利息の率の低い方を選択すればいいでしょう。

もちろん、潤沢な資金があるのであれば、
一番キャッシュアウトの少ない現金一括払いがお得になります。

金額の大きな設備投資の方法を検討する場合には、
まず第一にキャッシュフローを考えましょう。
運転資金が回らなくなるような方法は必ず避けてください。
経費になったり、税金に関わるところは大差ありませんので。

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【編集後記】
今週は今年入って初めてのフルの五日勤務でしたね。
なんとなく、なが~い一週間だったような気が・・・。
まあ、ゆったり週休二日とはいかないので、
実際はあまり関係ないんですけどね、なんとなくですね(笑)。

【昨日の一日一新】
・おーいお茶 日本の健康玄米茶
・カテゴリーの並び替え(Category Order and Taxonomy Terms Order)
・iMoKiN 健膳カレー

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