確定申告の所得金額で、使えるお金の確認と生活費の見直しもしてみましょう!

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個人事業主は、確定申告で1年間の収支がまとまります。
算出された所得から、使えるお金の認識をしておきましょう。

所得

所得金額から、キャッシュの獲得額を把握する

確定申告書を作成して、納税して完了。
もちろん、基本的にはそうなんですが、
せっかく1年間の収支が出たわけですから、申告納税だけではもったいないです。

算出された所得金額から、1年間のキャッシュの獲得額を把握してみましょう。
個人事業主を前提に書きますが、まずは所得金額欄の金額ですね。
これが1年間で獲得したキャッシュの推定値になります。

ただし、この所得金額は税額計算のための数値ですので、
実際のキャッシュの獲得額とは異なります。
少し調整する必要があります。

異なる主な部分は次の項目です。

・青色申告特別控除(+)
・減価償却費(+)
・棚卸資産(期首+、期末△)
・融資等の返済額(△)
・債権債務の回収支払サイトのズレ(+or△)
・青色専従者給与(世帯換算する時には+)

(+)項目は、所得に足し戻す性質のもの。
(△)項目は、所得から追加控除する性質のものです。

まず(+)項目から見ていきましょう。
青色申告特別控除(10万又は65万)、減価償却費、期首棚卸資産は、
実際にはキャッシュアウトのない項目ですが、所得からは控除されています。
ですので、足し戻す必要があります。

次に(△)項目です。
期末の棚卸資産は、実際にキャッシュアウトがあるにもかかわらず、
経費になっていないため、所得から減少します。
また、融資や割賦賦払金についても、キャッシュアウトはありますが、
所得計算上必要経費にはならないため、これも所得から減少します。

営業債権債務の増減額は、期首と期末の増減が大きくなければ、
無視してもいいでしょう。
営業債権は増加(減少)していれば、キャッシュ的には所得から減少(増加)。
営業債務は増加(減少)していれば、キャッシュ的には所得に増加(減少)させます。

例えば、トップ画像の事業所得5,367,200のみの場合で、
次の条件の場合のキャッシュの獲得額を算出してみます。

・青色申告特別控除額(65万)
・減価償却費(50万)
・融資等の返済(300万)
・期首棚卸(100万)
・期末棚卸(120万)
※営業債権債務の増減はほとんどなし。
※青色専従者給与の支払もなし。

5,367,200+65万+50万-300万+100万-120万
=3,317,200

申告書上の所得は530万程ですが、
この1年間のキャッシュの獲得額は330万ほどであることがわかります。
返済資金の300万の存在が重く、
稼いだキャッシュを減少させていることがわかると思います。

生活費の支出をピックアップしてみよう

1年間で稼いだキャッシュの概算を把握できれば、
次に生活費の支出をピックアップしてみましょう。

申告書に記載されているものにも生活費が存在します。
社会保険料控除になる国民健康保険料、介護保険料、国民年金等。
生命保険料控除や地震保険料控除の保険料自体もそうですよね。

医療費控除の医療費支払額、ふるさと納税などの寄付金、
住宅ローン控除に係る借入金・利息の支払額。
前年分の所得税、住民税なども生活費に該当します。

申告書に出てこない、いわゆる食費、自宅の家賃、自家用車のローン、
水道光熱費、教育費、交遊費、定期的な貯蓄額などを加えれば、
ザックリ生活費が出てきます。

ピックアップした1年間の生活費と上記の獲得したキャッシュの金額。
うまくバランスが取れているか見てみましょう。

必要経費、生活費、見直すべき点を発見する

金額を比較すれば、どの程度稼いで、どの程度生活費として支出しているか、
イメージできますよね。

稼いだ金額<生活費の場合は、
貯蓄からの取り崩しが発生している状況かも知れません。

もし、しっくりこない相関関係であれば、
なにかしら見落としている箇所がある可能性も考えられます。

必要経費の漏れがないか、生活費で思わぬ無駄遣いをしていないか?
事業の資金繰りが苦しいのが、本業の経営状態の問題なのか、
それとも、生活費でキャッシュアウトが大きすぎるのかなど、
気づくところがたくさんあるはずです。

個人事業主は、事業部分とプライベート部分が繋がっています。
ですので、キャッシュの流れを考える時には、
「事業+プライベート」で考えることが重要です。

毎年、確定申告書を作成するのであれば、
納税のためだけでなく、自身の分析のためにも役立ててみましょう!

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【編集後記】
昨日のWBCの日本-オランダ戦。
最後はタイブレークの末の勝利、手に汗握る熱戦でした。
真剣勝負の緊張感、ペナントレースとは異なるルール、
見ていて面白いですね。
侍ジャパンの活躍、今後も期待しましょう!!

【週末の一日一新】
・真水無香
・ホット伊右衛門ジャスミン
・KOZOU+
・黒船 ZARATELLA

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