家事関連費、必要経費になる?ならない?の判断基準

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個人事業主は事業にかかる部分、家事にかかる部分と
両方併せ持っています。
完全な家事費(生活費)は必要経費にはなりませんが、
家事関連費の一部は、必要経費になることも考えられます。

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家事関連費とは?

家事関連費とは、家事的なものと事業的なものが混在して支出される経費です。
状況によって様々ですが、店舗併用住宅の家賃・光熱費・損害保険、
固定電話代、携帯電話代、ネット接続料、車両の諸経費から一般経費に至るまで、
いろいろあるでしょう。

税務上では、原則として家事関連費は必要経費になりません。
ただし、「業務の遂行上必要であることが明らかにできる部分」については、
必要経費にすることが可能です。

写真にあげた私の書籍類、税務関連書籍はもちろん必要経費でOKでしょう。
一方、ワイン関連書籍はどうでしょうか?
私は「ワイン好き税理士」と謳ってブログを開設してるのでOKでしょうか?

これはワインの書籍が、私の業務の遂行上必要であるかどうかが問題です。
それを明らかにできたならば経費の可能性が出てくることになります。
現状、私の”ワイン好き”は趣味程度なので、残念ながらワイン関連書籍は
経費にはなりません(苦笑)。

これが、ワイン関連業者専門の税理士(そんなのいるか分かりませんが)とかになれば、
また話は違ってくるでしょう。
業務の遂行上必要かどうかは、時期、状況によっても変化することは考えられます。

とにもかくにも、税務署は業務遂行上の必要性を明らかにする術はありません。
個人事業主が自ら、業務の遂行上必要であることを明らかにしないと、
必要経費にはできないことになります。

明らかにしづらいものもある・・・

業務の遂行上必要であることを明らかにしやすいものは、簡単です。
例えば、店舗併用住宅の家賃などは、
事業用スペースと生活用スペースの使用面積によって面積按分を行えば、
業務の遂行上必要な部分が出てきます。

車両の諸経費なども、平日は仕事で使用、週末は家族で使用のような場合は、
使用日数による割合などで、事業用部分を算出することができるでしょう。

使用料や使用頻度などの数値的割合が算出できるよう、
明細を区分したり、使い方を分けたりといったよう、
明らかにする努力も必要です。

事業用のクレジットカードと家事用のクレジットカードを分けて使用したりするのも
効果的だと思います(もちろんその内訳が嘘であれば意味ありませんが。。。)。

しかしながら、中にはその必要性や経費性が一見するだけでは不明なものもあります。
例えば、タレントさんが購入する衣服代、カメラマンさんが取材に伴う観光地への旅費等、
本来経費であっても、一般的には経費に見えないものもあったりします。

業務の遂行上必要であることが明らかな証拠資料を残しておく

家事関連費が必要経費になるかならないかは、画一的ではありません。
明確な線引きができない部分であるからこそ、
経費性があることを、個人事業主は証明する必要があります。

そのためには、やはり資料という証拠を残しておくことが重要です。
上記のカメラマンさんの取材旅行なども、
本当に取材を行った事実を残しておけばいいのです。

”旅行での取材の行程表”、”実際に取材で撮った写真が使われた媒体”、
”この取材旅行の費用に対応する売上”等々、証拠となりうる資料を整備しておくべきです。
もしこの旅行の内に、業務とは関係ない日数が含まれていた場合には、
この資料に沿って、合理的に事業部分だけを必要経費にすればいいだけです。

また、家事関連費の中で必要経費にしなかったものがあれば、
それをきちんと家事費にしていることを明らかにしておくのも重要です。
経費にしていないものの資料の存在が、
必要経費と区分したものの正確性の補完に、寄与することになります。

本来、経費であるか、経費でないかは税務署が決めることではありません。
事業に関して必要な支出であれば、堂々と必要経費にしていいと思います。
ただ、税務上のルールは最低限知った上で、根拠となる資料を揃えておかなければ、
否認されても文句は言えません。

事業を進めていく中で、必要経費を把握することは経営の観点からも重要なことです。
ご自身の事業にとって、何が、どれくらい必要経費であるのか?
ふと立ち止まって見直すことも必要ではないでしょうか。

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【編集後記】
今日で11月が終わりますね。
明日からは12月に突入、年末がすぐそこまでやってきてます。
体調管理に気を付けながら、頑張っていきましょう!

【昨日の一日一新】
・たまり漬け クリームチーズ

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