チェレット / バローロ・ゾンケッラ 2011

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バローロで、一番最初に名前を覚えたのがチェレット社のバローロ。
ふとタカムラさんで見つけたので購入。さっそく開けてみました!

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イタリアワインの王様、バローロ

バローロはイタリアで「ワインの王にして、王のワイン」と呼ばれる偉大なワインです。
ワインをあまり飲まない方でも”バローロ”の名前くらいは知ってる方も多いんじゃないでしょうか。

イタリアの北部ピエモンテ州のクーネオ県にある、バローロ地区でネッビオーロ種で造られる赤ワイン。法定熟成期間は収穫年の翌年1月1日より3年間(うち木樽熟成2年)で、リゼルヴァは5年間。アルコール度数は13%以上と決められています。

ネッビオーロというブドウは非常に収穫の時期が遅く、ブドウ畑に霧(Nebbia)がかかることから、この名前がついたと言われています。土壌や日当たり等の栽培条件が極めて難しく、他の国ではほとんど栽培されていません。
酸味とタンニンが強いのが特徴で、その強さを和らげるために樽の中で長く熟成させるのが伝統です。

バローロも生産地区や生産者によっても味わいの違いがあります。
バローロ5大地区のうち、「セッラルンガ・ダルバ」「モンフォルテ・ダルバ」「カスティリオーネ・ファネット」など生産地区の東側は、泥灰土土壌で鉄分が多く赤茶色をしています。
スパイシーで男性的なバローロが造られます。
一方、地区西側の「ラ・モッラ」「バローロ」では青い泥灰土土壌に、砂も交じりマグネシムやマンガンも豊富な土壌。こちらでは香り高くエレガントな、比較的早飲みのバローロが造らています。

また造り方によっても違いがあり、昔からの大樽で造られる「クラシックバローロ」は重厚なワインを生み出します。一方、小樽で造られる「モダンバローロ」は、フレッシュな果実味の感じられるワインに仕上がり、現在はこちらが主流になりつつあるようです。

チェレット社

1930年代にリッカルド・チェレット氏がアルバ地区にワイン醸造所を創立したことに始まります。リッカルド氏の息子であるブルーノとマルチェロが経営を引き継ぎ、「最上の畑で最上の酒を造る」をポリシーに掲げました。

良い畑を次々と購入し、その場所に醸造所も建設し、その結果、父から引き継いだ小さなワイナリーを数十年で、バローロ・バルバレスコの最高の造り手の一つという地位に引き上げました。

チェレット社が有する畑で最上のものの一つが、このバローロ地区のブリッコ・ロッケ。セッラルンガ・ダルバとラ・モッラの両方のテロワールを有した好立地にあります。2011年からはこの畑でビオディナミを導入しています。

醸造所は上記のブリッコ・ロッケにあるバローロを醸造する「ブリッコ・ロッケ醸造所」。バルバレスコを醸造する「ブリッコ・アジリ醸造所」の他2つの醸造所を有しています。
各畑の中に醸造所を有することにより、伝統的な醸造方法と最新設備を用いた醸造方法を使い分けています。

果実味を感じるバローロ・ゾンケッラ

山田健さんの著書「今日からちょっとワイン通」の「価格別・味わい別おすすめワイン一覧」にチェレット社のゾンケッラやブリッコ・ロッケが載ってたのが、バローロを記憶した一番最初。20年ほど前の本なんで、ずいぶんと昔の記憶です。

「ワインの王様」だけあってさすがに値が張るバローロですが、ゾンケッラはリーズナブルにバローロを味わえるとあって、手が届くバローロというアイテムとして記憶に定着し続けていました。
そんな頭にこびりついていたバローロ・ゾンケッラ、今日まで20年近く飲む機会に巡り合わなかったのですから不思議なものです。

で、20年前の思いとともに、ゾンケッラを開けてみました。

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色はややオレンジがかった褐色のルビー色。
ワインの王様ですが、色合いは結構薄目な繊細な感じです。

香りは、最初は果実的な香りだったのが、すぐにスパイシーというか野性的な鼻をつく香りが広がってきました。この香りは結構好き嫌いが分かれるかも知れません。

味わいは、最初から果実味を感じ、酸もほどほどに、舌にはタンニンがしっかり残ります。思った以上に甘みを感じたのは意外でしたが、早飲みタイプということで、果実味が前面に出た結果なのかも知れません。

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ボルドーグラスとブルゴーニュグラスで比較してみましたが、どちらかと言うとブルゴーニュグラスの方が酸がきれいに感じて、よかったように思います。

ゾンケッラは、チェレット社の自社畑以外で生産されたブドウで造るため、バローロとしてはリーズナブルに楽しめます。
重厚感や気品等は味わえませんが、分かりやすい果実味とともに、取っつきやすいバローロだと言えるでしょう。

昔の本をめくり、若かりし頃を思い出しながら、時の経過を感じながら味わうワイン。
いつもとは違う余韻を楽しめた夜でした。

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【編集後記】
20年前の本を置いていてよかったです。記憶通りでした。
断捨離も良いですが、古いものが残っているのもいいもんです。

【昨日の一日一新】
・明治プロビオヨーグルトLG21ドリンクタイプ

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